出版部 C&R課 K.M.さん(2014年入社)

作曲家と作品を日本から世界へ広め、後世に繋ぐ——
音楽著作物の管理・開発をおこなうC&Rの仕事
現在の仕事内容
作曲家と作品の認知を広め、利用開発していく「C&R」
出版部のC&R課に所属し、係長を務めています。現在、入社11年目です(取材時点)。 C&RとはComposers & Repertoire(コンポーザーズ・アンド・レパートリー)、つまり「作曲家とその作品」を扱います。当社は、楽譜を印刷・販売する「楽譜出版社」と、音楽著作物の管理や開発をおこなう「音楽出版社」の両面を持つのですが、C&R課はとくに後者としての視点と動きが求められます。作曲家から著作権をお預かりし、作曲家自身のことも含めて国内外へ認知を広めていく=利用開発していくことがミッションです。
C&R課には複数の担当業務があります。私が入社以来担当しているのはレンタル楽譜です。レンタル楽譜担当は、作曲家やオーケストラ団体、演奏家らと緊密にやりとりしながら、編成の大きな作品のパート譜を制作・貸出することで、音楽著作物の利用開発に努めています。現在ではそこにプロモーションの担当業務も加わり、優れた作曲家とその作品の演奏機会を国内、ひいては海外においてもさらに増やすべく、日々奔走しています。同時に係長として、著作権や輸出入を含む課内の全体を見渡しながら、同じ出版部門の編集課などとの連携も深めています。
入社の動機
音楽にかかわる仕事を目指して
幼少期からピアノを始め、小学校から大学までは吹奏楽部でユーフォニアムを吹いていました。ずっと音楽が身近にあったので、将来は音楽に関係する仕事に就きたいと考えていたところ、ご縁に恵まれ社会人でプロ・オーケストラのライブラリアン・アシスタントのアルバイトをすることに。その後、そこで得た繋がりから全音に入社しました。
この仕事では同時代を生きる作曲家の作品にどっぷり浸かるので、「もともと現代音楽が好きだったの?」とよく聞かれるのですが、じつはそういうわけでもなかったんです。私が現代音楽に関わるきっかけは全音への入社だったわけですが、いまでは現代音楽も含め、あらゆる音楽の世界観を自由な気持ちで楽しめるようになりました。
この仕事ならではのやりがいや魅力
作品が育っていく循環に携わる喜び
作曲家が全身全霊を注いで我が子のように作り上げた大切な作品を、その著作権も含めてお預かりすることは、並大抵のことではありません。作品をお預かりしている立場として、初演後のプロモーションが実を結び、再演に恵まれた時には大きなやりがいを感じます。また、演奏家と作曲家を繋げることも重要なミッションですが、自分が繋いだその出会いがきっかけとなり、ありがたいことに新曲や委嘱新作が生まれることもあります。このように新たな作品が生み出され、育っていく循環の起点に関わることができた時も、ひじょうにうれしく感じます。
仕事をするうえで大切にしていること
ナマの意見と反響は現場でこそ得られる
とにかく現場へ行って、ナマの意見や反響を聞くことを大切にしています。 当初は、初演を聴くことをおもな目的として演奏現場へ行っていました。が、コンサートでの初演だけではなく、そこに至るまでの過程も含めて、現場に関わる人たちの声をもっと知る必要があると感じたんです。なのでいまでは、リハーサルも含めて可能なかぎり現場へ足を運び、オーケストラの事務局やマネジメントのかたがたも含む、業界全体の意見を吸収できるように努めています。作品や作曲家そのものへの意見や、いまどのような作品が求められているかなどは、指揮者や演奏家から現場で話を聞くことでこそ見えてくるからです。
演奏会後の打ち上げや飲み会などにお声がけいただくことも多くあり、積極的に参加しています。そういったフランクな場で本音のご意見をうかがうことも、大事にしたいんです。……お酒が大好きだから、というだけではないですよ(笑)!
今後の目標、取り組みたいこと
優れた作曲家と作品が世界中で愛され続けるように
海外エージェントとの連携をより深め、優れた作曲家とその作品が世界中で愛され続けるよう、ワールドワイドに発信していきたいです。海外出張や、世界を見据えたプロモーションを仕掛けることはもちろんですが、最近では海外エージェントが来社したり、海外の作曲家による作品を当社が出版したりする機会も増えています。
じつは過去に、英語がしゃべれなくて悔しい思いをしたことが多かったんです。当社がエージェントを務めている海外の作曲家が目の前にいるのに話しかけられなかった時は、本当に歯がゆかった……。この悔しさをバネに一念発起し、英会話教室に通ったり、アプリで勉強したりしています。前よりは話しかける勇気をもてるようになったと思います!
オフタイムの過ごしかた
生演奏から得た感動がモチベーション
休日は演奏会に足を運ぶことが多いです。生演奏で得た言葉にならない感動が仕事のアイディアに繋がり、モチベーションになっています。
リフレッシュ方法はサウナと晩酌です! 休日はサウナで整った後、地元のお気に入りのお店で明るいうちから飲んでいます。店員さんとお話しするなかで、意外なアイディアが浮かぶこともあるんです。……結局、オン/オフにかかわらず、いつも音楽や仕事のことを考えているのかもしれないですね(笑)。